2006年8月31日 (木)

漫画レビュー・高橋葉介の作品世界

ただいまマイブームなのが高橋葉介の作品群。
 
高橋葉介氏は
「夢幻紳士」シリーズや「学校怪談」で知られる
怪奇・幻想漫画家であるが,
今回はあえてファンの目にも
現時点では余り触れていないんじゃないかと思われる
雑誌「幽」(※)に掲載された作品を簡単にレビュー。
 
(※)念のため説明しておくと,
「幽」(メディアファクトリー刊)は
”日本初の怪談専門誌”と称して
平成16年7月から年2回のペースで
発行されている雑誌。
漫画誌ではなく,
むしろ京極夏彦のような人気作家が文章を寄せる
文芸誌のようなものであるが,
漫画作品も各号に数点掲載されている。
現時点で第5号までが刊行され,
創刊号から第5号までのすべてに
高橋葉介の単発作品を掲載。
なお,
その大きさ,厚さが
先行して刊行されていた
”世界で唯一の妖怪マガジン”「怪」(カドカワムック)と
そっくりなのは公然の秘密である。

 
(以下,作品内容に触れる場合あり。ねたばれ注意。)
 
○「陰陽」(「幽」vol.1掲載)
 道を歩いている少年が見知らぬ女性に屋敷の中に誘い込まれるが・・・。
 高橋葉介のお家芸といえる無言作品かつループ作品。
 
○「紅い蝶」(「幽」vol.2掲載)
 お座敷で”旦那”に「血の芸」を披露する芸人の少女。
 少女が気に入った”旦那”は・・・・
 内容と関係ないけど,
 芸人の少女の母親の顔が「夢幻紳士 逢魔篇」の女将とそっくり。
 同一人物と見ていいんだろうか。
  
○「ふらんそわ」(「幽」vol.3掲載)
 花の都(パリ?)に遊学した「僕」は美姫「ふらんそわ」と知り合う。
 やがて「僕」の子を身ごもった「ふらんそわ」と一緒に
 「僕」は船で帰国の途につくが・・・
 猟奇色の強い作品。
 作品の舞台は太平洋戦争直前から大戦中にかけての時代。
 
○「蛇女の絵」(「幽」vol.4掲載)
 絵の中で生きている蛇女を娘のように可愛がっていた「私」は,
 借金のある「あなた」にやむを得ず絵を貸すが・・・
 前回と変わってコメディ色の強い展開。
 
○「森を駆け抜けて」(「幽」vol.5掲載)
 白雪姫のスプラッタパロディ(?)。
 ストーリー展開が「陰陽」とちょっと似ているかも。
 
 
各作品の掲載頁数は余り多くなく,
しかも号を重ねるごとに
16頁→16頁→16頁→8頁→6頁
と最近2回は急減しているのが
ちょっと気にかかるところではあるが,
葉介ファンにとっては
目を通しておいて損はない作品たちといえよう。

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2006年5月 2日 (火)

4月に読んだ本

○皆神 龍太郎著「ダ・ヴィンチ・コード最終解読」(文芸社)
世界的ベストセラーとなった
ダ・ヴィンチ・コード」(ダン・ブラウン著)の批判本。
 ルーブル美術館入り口の「ガラスのピラミッド」のガラスの枚数は
666枚じゃなくて673枚である,という細かい話から,
もっと突っ込んだ批判まで盛りだくさんな内容。
 
ダ・ヴィンチ・コード」自体は小説なわけでして,
こうした批判は野暮だという見方もあるでしょうが,
同書の巻頭で
建築物,文書等については
「すべて事実に基づいている」という記述がある以上,
事実と異なる箇所に関する指摘を受けることは
やむをえないでしょうな。
 
それにしても
改めて検討してみると,
ダ・ヴィンチ・コード」には
オリジナリティな内容って少ないです。
例えば,
キリストがマグダラのマリアと結婚していて子供もいた,
という話は,
私が10年以上前に購入した
「世界不思議百科」(コリン・ウィルソン著,初版89年刊)という本にも
記述があるようなネタ。
(「世界不思議百科」では,
フランク王国のメロウィング朝がキリストの血統だという
伝説が聖杯伝説に絡めて取り上げられており,
まさにどこかで聞いたような話。)
 
にもかかわらず,
ダ・ヴィンチ・コード」がベストセラーになったのは,
その文章の上手さによるものなんでしょうか。
 
そういや,
ダ・ヴィンチ・コード」の映画って今月公開みたいですね。

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2006年3月23日 (木)

2月に読んだ本

先月読んだ書籍の感想などを。

○松山ひろし著「3本足のリカちゃん人形―真夜中の都市伝説」
 
 都市伝説関連サイトの管理人でもある著者が
 集めた多数の都市伝説を収録した本。
 「都市伝説」を冠する本は世の中に少なからずありますが,
 その背景事情まで踏み込んで考察している点で本書は秀逸。

 
 もっとも,私が本書を手に取ったのは
 その強烈な表紙の絵のせいでしたが。
 どこかで見た絵柄だと思ったら,
 児嶋都だった(怪奇大盛!!肉子ちゃん」シリーズの作者ね)。

 

○板倉光馬著不滅のネービーブルー―どん亀艦長海軍英傑伝
 
 旧日本海軍で潜水艦の艦長をつとめた
 「どん亀艦長」こと板倉光馬氏の著作の一つ。
 板倉氏の著作では
 自己の半生を振り返った「どん亀艦長青春記」や
 「あゝ伊号潜水艦」が
 比較的有名だと思いますが,
 本書はこれらと異なり,
 海軍人間物語といった感じのものになっています。
 
 実は初読ではなく,
 大学に入ったばかりのころに呼んだ記憶があります。
 本屋さんに新書版があったので手に取った次第。
 第五部「呪われた潜水艦」なんて
 久しぶりに読めてすんごく懐かしかったのでした。

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