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2007年6月24日 (日)

大河ドラマ「風林火山」・第25回 「非情の掟」

前回のアバンタイトルは
「生まれたのです,勘助の子が」(by由布姫)
に意表を突かましたが,
今週は通常通り本編の導入部分に戻りました。
例年の大河からすると,
解説コーナーや前回のダイジェストでない「風林火山」のアバンは
それ自体が異例なんですけどね。
 
○寅王丸出家する
 

諏訪では
武田晴信@市川亀治郎と由布姫@柴本幸の間の子,四郎が
お宮参りの時を迎えていました。
お宮参りって生後6か月目でしたっけか?
 
しかし,
晴信は甲府・躑躅が崎の館で
三条西実隆らの朝廷の勅使を饗応していたため,
四郎のお宮参りには不参加。
代わりに山本勘助@内野聖陽が付き添うことに。
 
しかし,由布姫はそれが不満だったようで,
「お館様は何故に来られぬのじゃ」「四郎も不憫な子じゃ」と
勘助に八つ当たり。
先週,先々週と勘助に妙に優しかった由布姫ですが,
やっと調子が戻ったようです。
 
さらに,
よほどイライラが募っていたのか,
由布姫は勘助に向かって
四郎に諏訪家の家督は継がせたくない,
諏訪家を継ぐのは弟の寅王丸じゃ,
ときわめて重要なことを簡単に口にしてしまいます。
侍女の志摩もびっくり。
 
むろん,勘助は「承知いたしかねまする」と拒絶しますが,
由布姫は重ねて,それならば寅王丸はどうでもよいのか,
と勘助を問い詰めます。

頭を痛めた勘助は
板垣延方@千葉真一の下に報告にあがりますが,
同席していた諏訪光隣(由布姫の大叔父)の話によると,
諏訪家の後継者が寅王丸か四郎かで諏訪家も割れているとのこと。
 
成長した寅王丸が四郎の家督に異を唱えたらどないしまひょか,
と不安がる光隣に,
板垣もその憂いをいかに取り除くか,とため息をつきますが,
話しているうちに何やら心に期するものがあったらしい勘助は
「それがしにお任せください」と
利まつのまつ(by松嶋菜々子)の決め台詞みたいなことを言います。
 
この後,勘助は
甲府の躑躅が崎の館に向かい,
晴信に向かって寅王丸を出家させるよう説得。
晴信はあっさり承知します。
そりゃ,
晴信にしてみれば,
自分の子供に諏訪家を継がせたいでしょうからね~。
この会談で寅王丸の預け先を
駿河の今川家の軍師・大原雪斎@伊武雅刀することも決定。
今川家と話をつけるため,
勘助,今度は駿河に行くことに。
 
今川館で勘助から話を聞いた今川義元@谷原章介は
あつかましい,また厄介者を押しつける気かと怒ります。
駿河には既に寅王丸の外祖父・武田信虎が預けられていますからね。
しかし,
寿桂尼@藤村志保は
寅王丸を預かるのは今川にとってもメリット大だと
義元をたしなめます。
寿桂尼さまは
依然として勘助に好意を持ち続けているようで,
自分に助け船を出してくれる寿桂尼さまに対して
勘助もちょっとこそばゆい顔。
もっとも,
雪斎が諸手を挙げて賛成したことからも分かるとおり,
行為云々を抜きにして
寿桂尼さまの判断は正解ということになりましょう。
 
義元は,
なぜ自分が勘助を嫌うのかうんちくを述べますが,
結局,雪斎が寅王丸を預かることにGOサイン。
 
 
哀れなのは幼い寅王丸で
ばば様と慕う大井夫人と涙の別れをして
駿河に向かうことになります。
(ちなみに本大河では
寅王丸の母親・禰々は信虎の側室の子という設定なので,
大井夫人にとっては寅王丸は実孫ではありません。)
 
史実の寅王丸は
どういう運命をたどったのか不明なまま
歴史からフェードアウトしてしまうのですが,
(成長したのかどうかすら不明)
本大河の寅王丸くんも
今回の大井夫人との別れが最後の登場になりそう。
 
 
○晴信,またブラック化する。
 
寅王丸の出家を耳にした三条夫人@池脇千鶴は,
そんなに四郎のことが可愛いのかと晴信を責めます。
最初は三条夫人をなだめていた晴信でしたが,
「家督は安泰であると太郎に仰せくださいませ」
という三条夫人の言葉を聞いて激怒。 
「家督を譲るも譲らぬもこの儂の胸三寸じゃ」と逆ギレ。
この言葉はかつて
父・信虎が晴信に向かって吐いた言葉と同じ。
 
この話を聞いた大井夫人,信繁と甘利,諸角らの老臣は
集まって晴信の信虎化を憂うのでした。 
 
ちなみに,
89年「武田信玄」では,
晴信@中井貴一が嫡男・義信@堤真一に向かって,
「武門の誉れ高き武田の血筋に弱き公家の血がまじったのじゃ!」と暴言,
次弟の典厩信繁に
「今兄上が申されたのは,昔,父上が兄上に申されたのと同じでござるぞ」
とたしなめられて言葉に詰まる,というシーンがあったと記憶していますが,
今回のエピソードはそのオマージュ的なところもあるかなと。
 
○甲州法度次第できる
 

今回のメインストーリーは
寅王丸の出家をめぐる動きでしたが,
その間々に挟まれていたのが 
甲斐の国の新たな法令の起案にいそしむ
駒井政武@高橋一生と春日源五郎@田中幸太朗の姿。

今回,駒井たちは今川仮名目録(今川義元の父・氏親が制定)を片手に
あれこれ思案していましたが, 
実際のところ,
甲州法度の主要部分は
今川仮名目録を踏襲していると言われているそうです。
 
ただ,駒井は単なる焼き直しにとどまらず,
晴信らしさをだせるように四苦八苦。
源五郎を感心させます。 

最後に完成した法度の原案を,
駒井たちは晴信に手渡しますが,
その際に晴信自身も法度に縛られることを最後の一箇条に
加えるように涙目で進言。
晴信は駒井を言を受けて,その一箇条を加えるのでした。
 
今週のサブタイトル「非情の掟」は,
メインとしては寅王丸の運命を指しているんでしょうが,
この主君自身も縛られるという甲州法度のことも
その意味にふくんでいるんでしょうね。
 
 
○次回第26回 「苦い勝利」
晴信のブラック化がますます進むようです。
それと,意外に早期に長尾景虎が再登場。

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2007年6月18日 (月)

大河ドラマ「風林火山」・第24回 「越後の龍」

自作パソコンの更新やら何やらで
1か月ぶりのレビューになってしまいましたが,
「風林火山」は毎回欠かさず視聴しておりました。
 
今週のサブタイトルは「越後の龍」。
長尾景虎,ついに登場というわけで,
放送開始前から期待が高まります。
 
 
○「生まれたのです。勘助の子が」
 
アバンタイトルは,
生まれたばかりの赤子と添い寝する由布姫の元に
障子を開けて勘助が登場。
なぜか勘助の背後は波打つ水面。
 
  勘 助「姫様!若子様!?」
  由布姫「そうです。生まれたのです。勘助の子が」
 
 
なんと,四郎(後の武田勝頼)は勘助の子だった!?
 
全国の視聴者の皆さんは
びっくりしたに違いありません。
(やっぱりお堂であの後・・・と思った人もいるかな?←それは私だ)
 
 
と,
その瞬間,ドーンと放たれる鉄砲。
倒れる勘助。
 
ここでオープニングに移行。
 
なんだ,このアバンは?と思ったら,
本編冒頭で勘助のみた夢だったと判明。
夢オチかよ(笑)。
まあ,描写からして夢なのは明らかだったけど。
 
しかし,
若子様が自分の子だったという夢を
勘助がみたということは,
やっぱあの時お堂で・・・・
ってことにならないんだろうか。
 
それと鉄砲の音で泣き出す若子様なんだけど,
この若子様,成人して家督次いだ後に
鉄砲のせいで散々に敗れたということになっているんですよね。
(長篠の戦い。史実として鉄砲が重要だったかは異説あり)
今回のアバンには
それを示唆する意味合いもあったのかな。
 
 
○オープニング
 
OPでは第1回以来,久しぶりに長尾景虎@Gacktがクレジット。
なぜか「ガクト(Gackt)」となっていたけど,
読み方がわからない人に配慮したんでしょうか。
 
「花」枠:由布姫,大トリ:板垣信方はいつもどおり。
軍配枠は真田幸隆。
 
 

○勘助,”妙薬”を服用する
 
冒頭,「姫様,姫様・・・」とうわごとをつぶやく勘助@内野聖陽。
まぶたに写る由布姫@柴本幸の顔をよっく見直すと,
忍芽(真田幸隆の妻)@清水美沙の顔に変化。
ここでアバンタイトルが勘助の夢だったことが判明します。
 
勘助の脇には太吉。
前回のラスト,河越城で鉄砲で撃たれた勘助は,
真田幸隆@佐々木蔵之介の手で
真田一家が逗留する上州・安中の長源寺で
手当を受けていたのでした。
勘助,10日間も意識不明で寝込んでいたのに,
やせ衰えることもなく,筋肉隆々。
さすが。
 
この後,勘助の寝込む部屋に
お寺の和尚(晃運字伝)と幸隆も登場,
5人で話しているうちに,
勘助に服された傷の妙薬が
「蘆毛の馬の糞を水で溶か」したものと判明。
ウゲッとなった勘助ですが,
その妙薬を勘助に飲ませてくれたのが
武田に恨みを持つはずの忍芽であると知り,
ちょっと感激。
 
考えてみると,
10日間も意識のなかった勘助に
”妙薬”を飲ませるためには口移ししか方法がなかったはずで
そうだとすると忍芽はまず自分の口に”妙薬”をふくんで・・・げげげ。
こりゃたしかに
幸隆のいうとおり勘助は忍芽に感謝しないといけませんわね。
 
この後,
晃運和尚は勘助の体から抜き取った鉄砲玉を
勘助に見せます。
鉄砲玉を手に取って眺める勘助。
このシーンを見て,
私としては,
うーん,何かデジャヴを感じるな,
と思ったのですが,
考えてみると,去年,六平太がよくやってましたよね,
鉄砲玉を手に持って千代に差し出すのを。
 
ちなみに,
勝頼誕生の時点で天文15年(1546年),
千代の誕生(弘治3年,1557年)まであと11年です。
 
 
ところで,
ここでちょっと疑問なんですが,
北条氏康は武田援軍の将・勘助を
どうして助けなかったのしょう?
北条側の手で助ける前に
幸隆が連れて行ってしまったということでOK?
 
一刻を争うような傷だったんだから,
北条側に勘助を委ねた方がいいような気がするんですが,
狙撃したのが北条側の武将(福島彦十郎)だったし,
幸隆自身ものこのこ北条勢の陣に行ける立場じゃないし,
幸隆が自分で連れて行こうと考えたのは
仕方がないところかも。


さて,
話を勘助たちに戻すと,
幸隆は勘助に「そちに甲斐への道案内を頼みたい」と
のたまいます。 
つまり,
武田への仕官おKということ。
勘助の必死の説得に
とうとう心を動かされたようです。
 
 
○晴信,大ショックする
 
その頃,
武田晴信@市川亀治郎は
佐久衆の謀反討伐のかたわら,
諏訪にいる由布姫と四郎を見舞います。
 
この時点で
勘助生存を知らない晴信は
勘助の消息を聞く由布姫に向かって
先に佐久に出陣していると嘘をつきます。
 
勘助の喜ぶ顔を見たかった,と言う由布姫に
由布は勘助が好きか,と訪ねる晴信。
由布姫の答えは「今は嫌いではありません。」
 
この後も和やかに勘助談義を重ねる二人ですが,
由布姫の発言,
「板垣殿も申しておりました。
勘助がいなければ,
お館さまは早くに負けていたかも知れぬと」
を聞いて
晴信の顔色が変わります。
 
「儂は左様に思われていたのか・・・」
ほかの家臣の考えならば
苦笑くらいですんでいたかもしれませんが,
自分の守り役で父親代わりとも思っていた
板垣信方@サニー千葉が自分を低く評価していたことを知り,
大ショックを受けたお館さま。
 
まあ,
板垣が由布姫に
どういうニュアンスで話をしたのかわからないですし,
(たぶん,勘助の活躍をほめる文脈で出てきた話では?)
そもそも
由布姫からの伝聞をそのまま鵜呑みにするとは
晴信にしては
安易すぎるという気もしますが,
ともあれ
晴信としては何か心に期すものがあった模様。
 
 
○越後の龍,ちょっとだけ出る
 
再び長源寺の真田家に話が戻って,
勘助と幸隆が
月を眺めながら酒を酌み交わして談義中。
 
幸隆は,
村上義清,関東管領・上杉を倒したその後に
武田に立ちはだかるのは越後の長尾氏だと
勘助に告げます。
そして, 
長尾の現当主・晴景は病弱でうつけ者だが,
その弟はすごいとも。
 
この幸隆の話の中で
長尾景虎(後の上杉謙信)@Gacktがついに登場。
キターッ!と思ったら,すぐに幸隆の話は終わり。
登場シーンは1分もありませんでした(笑)。
これで今日のサブタイトルが「越後の龍」って・・・・
 
とはいえ,
色白で超美形のアニメ声の謙信には
期待大。
次の登場は数話先になるかも知れませんが。
 
 
○お館様,ブラック化する
 
再び話は晴信に戻って,
今度は佐久・内山城を囲んでいる武田軍の陣営。
 
水断ちの策(←また教来石が穴掘りやってる)により
城を降伏させるという意見が
大勢を占める家臣団に向かって
晴信は力攻めを宣言。
 
その上で晴信は,
「あーまーりー!」,「よーした」などという台詞で
信虎公の物まねを家臣団に
披露してくれます。
 

軍議の間の休憩中,
まるで先代・信虎公を見ているようだと
囁きあう板垣,甘利虎泰@ゴリさん,飯富の3人。
物まねの評価は高かったようです(?)。
 
軍議再開後,
幸福の使者を使わすように進言する板垣に向かって,
晴信は「この儂を侮るな!」と一括。
由布姫から聞いた板垣の発言を強く根に持っているようです。
 
この直後,
百足衆から勘助生存のニュースが届けられて
場が少し和みましたが,
お館さまのブラック化を阻止するほどの効果はなく,
結局,武田軍は内山城を力攻めで4日後に落とし,
当主と嫡男を除く城内の者たちを皆殺しにします。
 
ナレーションでは
何気に「4日後」に城が落ちたと言ってましたけど,
4日間も力攻めしたわけでして,
武田軍の損害も相当数に上ったんじゃないでしょうか。
 
ともあれ,
武田軍勝利の結果を受けて,
晴信は
水断ちに功のあった教来石景政@高橋和也は
譜代家老衆に加えられるとともに
名門・馬場家の名跡を継いで「馬場民部少輔信春」と
名を改めることになりました。
 
出世したのは良かったけど,
「教来石」の名は今週で最後なんですね。
ちょっと寂しい。 
 

○真田幸隆,武田晴信に会う
 
この後,
傷がようやく癒えた勘助は,
真田幸隆を連れて躑躅ヶ崎館に帰還。
 
晴信と接見した幸隆は
勘助と晴信の
鉄砲なんか大したことない談義を
半ばあきれ顔で聞いていましたが,
知行二百貫で召し抱えられた上,
旧領の松尾城を与えられると知るや,
びっくり&感激。
晴信に忠誠を誓うことに決めたようです。
さすがに人心掌握術に長けたお館さま。
 
それにしても
鉄砲など戦では馬糞ほどにも役に立たないという点で
意見が一致してしまった晴信,勘助の主従ですが,
これも鉄砲を軽視する武田家の将来を示唆する
シーンなんでしょうかね。
(くどいようだが史実かどうかは別の話)
 
 
 
○次週は
 
 ----なまえは?
 
        「寅王丸」
 
 ----憎いのか?
 
    「あの男は,切腹した父上に
     私を諏訪家の当主に据えると約束したのじゃ。
     それなのに,
     姉上との間に男児が生まれると掌を返したように
     私を厄介者扱いに・・・
     あげくに私を出家させて駿河に・・・」
 
  ----誰かにそそのかされているのではないか?
 
    「それは・・・そうだ,あの隻眼の男!」


次回,第25回 「非情の掟」
 

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