大河ドラマ「風林火山」・第18回 「生か死か」
甲:今週は由布姫が
晴信の側室になることを受け入れるまでの話。
今回は本当に奥深い脚本,素晴らしい演技でした。
いや,本当に。
乙:武者震いがするのう~!
っていうか,
内野勘助って村上弘明に似てると思わんでごいんすか?
甲:なんだよ,それは。
○晴信,由布姫を側室に迎えることを決断
甲:さてさて,
OP前のアバン部分では
甥っ子の寅王丸を使って
諏訪家臣団をうまいこと服従させた晴信さんでしたが,
甲斐・躑躅ヶ崎館に戻ってみると
妹かつ故・諏訪頼重の正室かつ寅王丸の生母である
禰々@桜井幸子が死の病の床に。
見舞った晴信に向かって
禰々からは
「寅王丸を兄上のような戦好きにはしとうない」
とキツーイお言葉が。
乙:まあ,無理もないやね。
今回の禰々は大井夫人@風吹ジュンに対しても
「お北さま」という他人行儀な呼びかけだったな。
今までは自分の生母じゃなくても(禰々は信虎の側室の子)
母上と呼んでいたのにな。
甲:晴信に対しては
ほとほと愛想が尽きたんだろうね。
だからその母親ももはや肉親という感じではないと。
大河において
登場人物がやたらと戦さ嫌い発言をすると
時代錯誤だと批判されることが時々あるんですけど,
禰々のように自分の夫や赤子が酷い目に遭っていると
こうした発言も自然に感じられますね。
乙:そういえば,去年の主人公はよく言ってたな。
千代は戦さが・・
甲:コホン!
今は「風林火山」の話をしとるんじゃ。
この後,
晴信は家臣団会議を開催,
由布姫の処遇について諮ります。
乙:”よーし分かった”諸角は反対,
ゴリさん甘利に至っては
殺しておけばよかったのに詰めが甘いと
山本勘助@内野聖陽を睨み付ける始末だったな。
甲:諸角と板垣@千葉真一の閨問答が面白かったね。
それにしても,
この大河,コメディ部分も重厚というか。
乙:オヤジくさいというか(笑)。
下ネタでくるとは思わんかった。
で,
勘助が晴信に
由布姫との間に男子を作って
その子を諏訪の跡取りにしろと献策。
甲:で,晴信さんは勘助に
由布姫の気持ちを聞いてくるように命じます。
○由布姫の拒絶
甲:勘助の対由布姫アタックですが,
最初の一回目は姫から
死んだほうがマシじゃ,と言われて失敗。
乙:勘助は
側室になる覚悟もなかったのに
生きるつもりだったのかと
声をかけてたけど,
頑なな姫君にあのセリフじゃ
逆効果だわな,普通。
甲:勘助から失敗報告を受けた晴信さんは
勘助に和歌を託します。
君のいる 我が山里をつらく見て 心のうちに 待ちし春風
まあ,なんて露骨な歌ざんしょ(笑)
ともあれ
勘助はこの和歌を持って二度目のアタック。
乙:由布姫と侍女たちは何て下手な歌だと
物笑いにして床の間に飾りやがったな(笑)。
でも
これは晴信の作戦っぽいな。
太陽作戦というか。
甲:晴信は以前にだいぶ和歌にハマっていたから,
もっと上手に詠めるはずだし,
下手な和歌を送って
由布姫を笑わせて頑なな心をほぐそうという
作戦だったのかもね。
それにしても
勘助,この二度目のアタックの際に
姫から「そなたの心はどこまで醜いのじゃ」とか
言われてたね。
乙:禰々の病の話なんか出して説得しようとするからだべ。
勘助の方の北風作戦(?)はすべりまくりだったな。
家臣団会議でメンズノンノ小山田が
男女のことも戦と同じだとか言っていたのを
真に受けたんかいな。
甲:だったら”恋は詭道なり”ということで
もう一工夫ほしかったどこだけど。
それにしても
今回の由布姫,なかなか良かったんじゃないか?
硬さが抜けていい演技になってる。
乙:確かに良かった。
笑うシーンが入ったのがいい方向に働いたのかもな。
由布姫が可笑しくて笑ったのは
今回が初めてじゃねーかな。
前に狂笑っぽいのはあったけどさ。
○甘利と三条夫人の由布姫来訪
甲:こうして勘助の対・由布姫アタックが繰り返される最中,
禰々さんが終に病死。
死のシーンは直には描かれませんでした。
乙:大河を含めた時代劇では
病気の人が何かセリフをはいてからガクッと逝くような
死のシーンの描かれ方が多いんだけど,
そういうのは非現実的だからな。
今回の禰々のようにナレーションだけで死を告知する方法は
俺的には好感が持てるでごいんす。
甲:過去大河だと89年「春日局」で
基本的に病死がナレで済まされていたことがあったよ。
話をストーリーに戻すと,
この後,
側室反対派のゴリさん甘利が
突如,由布姫を訪問。
小刀を由布姫の目の前に置いた上で
自害した頼重の話を持ち出したり,
禰々の病死は自害のようなものだと言ったりします。
乙:甘利は由布姫に暗に自害を迫っているのかと思いきや・・・
甲:勘助も視聴者もそう思ったんだろうけど,
さにあらず,でした。
乙:後に由布姫いわく「斬られにきたのです」ということだな。
甲:甘利は自分が由布姫に小刀で斬られれば
側室話は立ち消えになると考えたんだね。
そして
由布姫はそれを見抜いて
自害に応じないのはもちろん,
甘利を刺すこともしなかったというわけ。
深い脚本だよね~。
この展開にはすごく感動した。
乙:で,
勘助の言葉には動かなかった由布姫だが
甘利の晴信を思う気持ちには心が動いたようだな。
それで晴信に対する興味が涌いたらしい。
ゴリさん,側室話を潰すために訪問したのに
逆効果じゃん(笑)。
甲:たしかに(笑)。
ゴリさん,ちょっと由布姫のことを認めたようだけどね。
「聡明な姫じゃ」と言ってたし。
で,
さらにこの後,
今度は三条夫人が由布姫を訪問します。
最初は優しい言葉をかけた三条夫人でしたが・・・
乙:由布姫,うしろ!うしろ~っ!
甲:と思わず声をかけたくなった
視聴者がいたんじゃないかと思いますが,
晴信が由布姫に送った恋歌が床の間に飾ってあるのが
三条夫人の目に入ってしまいます。
っていうか,
顔色を変えた三条夫人は
由布姫に対して
”国は滅びたくないものじゃ”などと暴言を吐いて
去っていきます。
口では側室話を覚悟しているようなことを言ってても
やっぱりショックだったのかな,三条夫人。
それで悪態をついてしまったと。
乙:いや,俺としては,
あれはわざと嫌われるような言動をして
側室話を受けるのを促したんだと思うぞ。
プライドが高い由布姫なら
ああされれば三条夫人にライバル心を燃やして
側室話を受けると踏んだんだろ。
こう解釈しないと
由布姫が三条夫人も傷を負いにきたと言っていたのと
マッチしないし。
甲:そうかな?
その解釈だと,
床の間の恋歌の件が強調されていたのを
うまく説明できていないと思うがな~。
それに
由布姫による三条夫人の心境説明が
正しいとは限らないんじゃ?
乙:由布姫はサイコメトラーだから
間違わないという設定なんずらよ,きっと。
甲:本当かいな(笑)。
まあ,屋敷を立ち去る際の三条夫人の涙を
どう解釈するかにもよるかもね。
ともあれ,今回は池脇千鶴の演技も良かったよ。
○由布姫,決断す
甲:最後に由布姫は側室話を受けることを勘助に告げます。
乙:あの二人も傷を負ったのだから,自分も,という理由か。
見ているときは納得したけど,
よくよく考えてみると,分かったような,分からんような。
由布姫は三条夫人に合わせて(心に)傷を負う義理はないし,
甘利に対してはもっと義理がない。
甲:うーん,そうだけど
感動したからこれはこれで良いのだ(笑)。
ところで,
勘助はお屋形様との間に子供を作れば
その子供にどんな魂を吹き込むかは
由布姫の自由だ,みたいなことを言っていたね。
乙:なんか,恨みは子供の教育を通じて晴らせ,
みたいな感じにも聞こえるな。
甲:一方で
大望がなければ恨みを晴らしたとて何になろう,
と以前に晴信に言われた話を
由布姫に披露していたし,
こと由布姫関係になると
勘助は一貫性を欠くような気が。
乙:大望がありさえすれば
恨みを晴らしてもいいってことなんだろ。
甲:そうかぁ?
○次回は第19回 「呪いの笛」
甲:これで由布姫はすんなり側室になるのかと思ったら
来週予告を見る限りそうでもないようです。
乙:つーか,そうでもないというレベルじゃないと思うぞ。
由布姫,お屋形さまに思いっきり切りかかってたじゃん。
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