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2006年11月12日 (日)

大河ドラマ「功名が辻」・第45回「三成死すとも」

今週のOP前の解説コーナー,
解説じゃなくて単なる前回のダイジェストだった。
 
 
本編の方は三成が実質的な主役の回である。
 
勝利の宴会の翌日,
大津城の家康の下に訪れる東軍諸将たちは 
門前で縄をかけられて晒し者にされる三成の姿を見る。
 
多くの武将たちは無言で通り過ぎるが,
以下の3名は三成とやり取り。
大要は次のとおり。
 
(福島正則) 
→それが豊臣5奉行の成れの果てか。
 何故死なぬ?
(三成)
→英雄たるもの,
 最後の最後まで機会を待つものだ。
 
(小早川秀秋)
→(正面から見れずに格子戸の陰から除く)
(三成)
→(気が付いて)うぬは義を捨てて朋友を裏切った。
 あの世で鬼となったらそなたは生かしてはおかぬ。
 
 
で,最後に我らが一豊殿。
(一豊)
→(羽織を脱いで三成にかけてやる)
(三成)
→そなたは勝ったのだから,俯く事はない。
 そなたの奥方は淀の方様の覚えがめでたいそうだが,
 我の遺言をお伝え願いたい。
 徳川家康を頼みにしてでも
 豊臣家と秀頼様をお守りくだされ,と。
(一豊)
→承ってござる。
 
 
このシーンは「功名が辻」原作本ではなくて,
(原作は敗戦後の三成にはほとんど触れていない)
同じ司馬遼太郎センセイの小説「関ヶ原」にあるもの。
ただし,
小説「関ヶ原」において
三成に羽織をかけてやるのは
一豊ではなくて黒田長政。
まあ,
「功名が辻」にこのシーンを入れるのならば,
一豊にこの役を振るのは仕方がないところか。
それにしても
三成としては
千代は淀殿の”覚えがめでたい”という
認識だったのか。
確かに
千代は何度となく呼び出されているしな~。
会うたびに冷たい態度をとられていたけど。

 
なお,小説「関ヶ原」は
TBSが昭和56年の正月時代劇ドラマとして
映像化しており,
上記の敗戦後の三成と東軍諸将のやりとりも
じっくりと描かれているので,
機会があれば是非ご覧いただきたい。
(確か,
二,三年前に再放送されていた記憶が。
DVD化もされているはず。)
 
 
この後,
三成は家康と対面。
家康は天晴れな戦いぶりだったと感服して見せるが,
三成は無言で家康を睨み返す。
そのまま,
しばらく両者は睨みあっていたが,
最後に家康は「さらばじゃ」と席を立つ。
三成は最後まで一言も発しなかった。
・・・・はずなのだが,
なぜか
NHKの公式HPのトピックスでの
中村橋之助さんのインタビューでは
無言で睨み合った後に
家康から「言い残すことは?」と聞かれて
思いのたけを全部言い切ったことになっている。
あれれ?
私の聞き落としか???
 
 
さて,
大坂に戻った一豊は
千代・家臣と感動の再会を果たした後,
三成の言葉を伝えるべく淀殿に面会を求めるが,
あえなく拒否される。
ちゃんと”三成からの言伝がある”と事前に言わないから
そうなるんだと思ったのは私だけではあるまい。
というか,
三成は
奥方(千代)から伝えて欲しいという趣旨で
ああ言ったんじゃないかという気も。
 
困った一豊は
千代を通じて淀殿に話を通すことに。
最初からそうすればいいのじゃ。

千代の面会希望には淀殿も応じ,
無事,千代から三成の言葉を伝えることに成功。
淀殿は千代の前で初めて涙を見せ,
三成の最後を見届けてほしいと千代に頼む。
 
 
その頃,
三成は裁きを待っていた。
ここで,
「時を遡れば」ということで,
三成が関ヶ原の戦場を脱出した後の
回想シーンの挿入。
 
近江の三成の領地の領民が三成を洞窟に匿うが,
やがて田中吉政軍の山狩りに遭遇し,
領民に迷惑をかけないように
三成が領民を諭して自らの居場所を教えさせるという
エピソードが
予想以上に丁寧に描かれていて良かった。
前回,
三成があっさり捕まってしまったんで,
当然省かれるかと思っていたよ。
ちなみに
これも「功名が辻」原作にはないシーンである。
 
 
慶長5年10月1日,
町人に変装した千代・一豊が見物人に混じって見守る中,
三成は斬首に処せられた。
 
処刑の直前,
三成と処刑人の間で次のようなやり取りあり。

(三成)
→のどが渇いた。湯を所望したい。
(処刑人)
→湯などない。柿ならばあるが。
(三成)
→柿は痰の毒だ。
(処刑人)
→これから首を切られようとする者がなにを言う!
 ハハハハハ!
 
で,
この後,
三成が
「大志を抱く者は最後まで命を惜しむものだ。
お前のような者には分かるまいが。」
などと言い返す,
というのが有名なエピソードで,
過去の大河でも描かれているんだが,
今回はこのセリフがないままザクッ!
フェイントだった。
 
親子で「功名が辻」を見ている御家庭で,
親御さんが子供に
次の三成のセリフはこういうんだよ,
とか説明していたら
言わないでおわっちゃったんで,
親の権威が失墜,
ということが全国で起きていそうだな。

それにしても,
この最後のセリフを抜くのなら
なんで柿のエピソードを入れたんだ?
もしかして
遠回しなギャグだったのけ?
 
 
三成関係の話は以上だが,
今回はもう一つの重大イベント,
「土佐22万石拝領」が発生。
この件は次週のレビューで触れるとしよう。
 
 
では今週も最後に「功名が辻チェック」をどうぞ。
 
 
 
○今週の功名度→☆☆☆☆☆
  土佐22万石拝領。
  石高には異説があるみたいだけど,
  その話は次週以降のレビューで。
○今週の愛情度→☆☆☆☆☆
  「御命の持ち帰りこそ功名の種でございます」
  超久しぶりにきいたね。
○今週の隠密度→☆☆☆
  千代に警告するのはいいんだが,
  せめて一晩くらい夢を見させてあげても,
  という気がした。
○今週の冶部度→☆☆☆☆☆
  さらば,義の人よ。
今週のお笑度→☆
  柿の話のフェイントがギャグとは思えんしな~。

 
来週は第46回「土佐二十万石」。
いよいよ最終章に突入。
 

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