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2006年9月 3日 (日)

大河ドラマ「功名が辻」・第35回「北条攻め」

今週はタイトルどおり
小田原合戦がメインかと思いきや
最初に持ってこられたのは
旭と副田甚兵衛の話。
 
冒頭,
養子の赤ちゃんや侍女たちと一緒に
町を歩いていた千代は,
商人姿の副田甚兵衛を発見。
道端で針売りの商いを始めた甚兵衛を
下男と侍女に見張らせたまま,
千代は屋敷に戻って
旭から預かった手紙を取り出すと
甚兵衛のいる場所にとって返し,
知らぬ存ぜぬと拒む甚兵衛に
半ばむりやり手紙を押し付ける。
 
下男や侍女に対する命令口調といい,
甚兵衛に対する強引な態度といい,
すっかり大名の奥方様が板に付いた感じの千代である。

ま,甚兵衛の方も
本心では心残りがあったようで, 
その夜,
商売仲間(?)と寝ているあばら家を抜け出し
月明かりの中で旭の手紙を読んで涙するのだった。

その翌日(あるいは数日後?),
大阪城の病床で北政所,大政所に囲まれる旭を
見舞った千代は,
甚兵衛から手紙を預かった針証人だと嘘を言って,
甚兵衛本人を病床に面した中庭に呼び出させ,
甚兵衛自身に旭の前で手紙を読み上げさせる。
明確には描かれなかったが,
両シーンの間で
千代が甚兵衛に連絡を取って説得し,
これを実現させたものと思われる。
(とすると,やはり翌日ではなくて数日後なのかな?
六平太あたりが暗躍していれば別だが。)
 
この旭の病床シーン,
千代@仲間由紀恵と北政所(寧々)@浅野ゆう子の
目と目によるやり取りが秀逸である。
 
寧々の視線(どういうことです,千代殿?)
千代の視線(このくらい見逃してください,北政所様)
 
という感じであろうか。
 
聞き終わった旭は
ガクッと倒れて気を失う。
その直後の場面が
旭の葬列のシーンだったので,
そのまま旭は亡くなったらしい。
83年組アイドルの生き残り代表・松本明子は
こうして「功名が辻」から
ひっそりと退場したのだった。
 
甚兵衛のメッセージは
早く病を治してほしいという内容だったのに,
逆効果になったようだ。
甚兵衛殿,無念。
これまた明確には描かれなかったが,
甚兵衛はあとを追ったのだと思われる。
もっとも,
81年「おんな太閤記」では,
副田甚兵衛@せんだみつおが
あさひの墓の前であとを追ったように描かれたのに
その後も生き延びていて再登場したという
ケースもある。
(ちなみにあさひ役は泉ピン子。
この大河は原作・脚本が橋田壽賀子だからね。)
今回,明確に死が描かれなかったのは,
再登場に含みを持たせているのかもしれない。
 
 
この旭・甚兵衛の話で20分近く費やした後で,
ようやく今回のサブタイトルである「北条攻め」の話がスタート。
今回のストーリー展開だと,
謀反の噂がある家康と織田信雄が面会している陣に
秀吉自身が乗り込んで酒を酌み交わして
謀反の噂を蹴散らしてしまうという
いかにも大河ドラマ的なエピソードの後は
トントン拍子に攻略が進んだように見えるが,
実態はかなり違うようだ。
 
例えば,
北条側の有力支城のうち,
織田信雄の軍勢が攻めた東海道沿いの韮山城は
なかなか陥落せず,
やむをえずこれを包囲したまま
秀吉軍は小田原城に向かう羽目になっている。
信雄殿,家康と会って
謀反の相談している場合じゃないがね。
 
今回描かれた
秀次軍による山中城攻め(一豊も従軍)にしても,
最終的には落城したものの,
北条兵の頑強な抵抗にあって,
秀次宿老の一人・一柳直末が戦死している。
一豊は康豊と共に山中城に切り込んでいって,
切腹していた敵将に手を合わせていたけど,
実際にはあんな余裕はなかったのでは?
 
ともあれ,
秀吉軍の圧倒的物量の前に
北条軍は遂に降伏・開城。
秀吉が没収した関八州を家康に与え,
代わりに従来の東海道の領地を召し上げたのは
周知のとおり。
我らが一豊殿は
遠江国掛川5万石に加増。
 
そういえば,
小田原陣中の
伊達政宗と秀吉の接見シーンがなかったな。
ちょっと残念。

 
今週はこれで終わりかと思いきや,
ラスト直前に
豊臣秀長死亡,千利休死亡が
ナレーションだけで立て続けに告知。
96年「秀吉」の時にはそれぞれ1話分使ったネタなのに,
この大河ではえらい軽い扱いである。
それにしても,
利休殿って「功名が辻」でセリフがなかったんじゃ?
それと秀長が一番目立ったのって,
第33回のオープニング前の解説コーナーだった気がする。
 
そして
最後に一豊が千代に鶴松君死去を知らせたところで,
今週はエンド。
 

今週もまたまたストーリーをなぞったままの
レビューになってしまった。
来週こそちゃんと感想を書こうと反省しつつ,
最後に「功名が辻」にGO!しよう。
 
 
○今週の功名度→☆☆☆
  山中城攻め,実際には苦戦のはず。
○今週の愛情度→☆☆☆☆
   小田原陣中で顔を合わせて見つめ合う二人。
  関白殿下の声も耳に入らなかったようだ。
○今週の隠密度→ゼロ
  本編にはまたまた登場しなかったが,
  来週予告で久々に姿を見せた。
今週の太閤度→☆☆☆☆☆
  事実上,全国制覇を達成したが・・・
○今週のお笑度→☆☆☆
  ホシイカを一豊に見せて「いかが?」と聞く千代。
  けっこう面白かった。
 
 
次回は第36回「豊臣の子」。
久々登場の六平太の活躍に期待大。
 

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コメント

最近忙しくて大河ドラマ見てなかったんだけど,今日,NHKの別番組で脚本の大石静の特集をしていて,巧妙が辻のメーキングシーンなどが流れて,急に今どうなってるんだろうと気になりやってきてしまいました。
やはり,久しぶりに読んでもすごいおもしろいね。楽しませてもらいました。
次も期待しています。

投稿: びる子 | 2006年9月 6日 (水) 00時01分

>>びる子さま
大石静の特集というと,「功名が辻」以外では「ふたりっ子」とかを取り上げたのでしょうか?
「功名が辻」もあと残り14話分,何とか全話についてレビューを書けるよう頑張りますです。

投稿: かわうそ | 2006年9月 7日 (木) 00時06分

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前半は旭姫の死でしたね。引き離された副田甚兵衛の『いかなることがあろうとも、わしらは夫婦じゃ……』の言葉は心打たれましたね。 そしていよいよ小田原攻め。予想通りあっさり降伏とあいなりました。実際は築城に80日間を要し、1日で出来たように演出してます。秀吉....... [続きを読む]

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